琉球古代龍
第一話 / 目を覚ませ
封印は、
外からかけられたものでは
なかった。
下へ / 首里の夜明けをたどる
夜明け前 / 首里
観光客が来る前の、まだ誰のものでもない朝。
昨日と今日のあいだに、ほんの少しだけ隙間がひらく時間がある。
百八十二日目 / 拝所
祈りをはじめて、今日で百八十二日目だった。
手のひらには小さな水晶の玉。拝所の前でひざまずき、目を閉じて、同じ祈りの言葉を三回くりかえす。
祈りの途中
その朝、祈りの途中で、ふっと風が止んだ。
「目を覚ませ」
振り返っても、誰もいない。
日の出
石垣の向こうで、群青の空が朱に溶けていく。
その光が手のひらの水晶にも届いて、小さな朱色がともった。
世界
かつて沖縄には、夢を現実にする技があったとされる。いま残っているのは、その半分だけ。
物語が進むごとに、ここが少しずつ明かされていきます。